村上春樹、6年ぶりの8作品からなる短編集です。
自分は村上春樹好きで、本書の1作品ずつを紹介しています。
ネタバレあり、閲覧注意です。
6.『謝肉祭(Carnaval)』(p151~p183)
【あらすじ】
僕は50歳、その「美しくない」女性は、10歳ぐらい年下。とある演奏会で友人の紹介で出会う。音楽についての会話の中で、究極のピアノ曲として、僕はシューマンの『謝肉祭』を選んだ。
彼女は既婚者で、高級マンションに住み、身なりも良く、会話のセンスもある。何度か「謝肉祭」の会合を続けるが、ある日連絡が取れなくなった。ひと月ほどして彼女の姿を見たのは、ニュースで逮捕される姿だった。
【解説】
すみません、この物語はネタバレ全開でいきます。正直に言うと、読後感が少し悲しい物語でした。その「美しくない彼女」が逮捕されたのは、純粋に残念です。
冒頭は「彼女」の説明から入ってます。本文ではもっと直接的に、「知り合った中で最も醜い女性」という表現を使っています。こういう表現は、会話にも文章にもしにくい内容で困ります。
この物語の主題は仮面。外見が中身を隠す、というイメージです。裕福に見えた彼女は、結局は詐欺で逮捕される。美しいのか? 醜いのか? 果たしてそれは外見なのか? 中身なのか? 想像は膨らみます。
醜い外見だが ⇔ 音楽の知識など豊富な、美しい人間性
裕福な暮らし ⇔ 詐欺で稼いだお金
本書では更に、補足内容として、逮捕された「彼女」の相棒である夫は、モデルかと思えるぐらいの美形男性(年下)である、ということと、
主人公僕は、若い頃(20歳)、あまりかわいくない女の子を紹介され、「かわいくないから」という文脈で、連絡をしないという対応をしてしまう(実際は違う)。この二つが補足場面となります。
【感想】
美しくない彼女だったけれど、人間性は美しかった。そういう物語を期待していました。単純ですが。ただ本書では、最後にどんでん返しが入り、詐欺で逮捕されてしまいます。
シューマンのカーニバルは、天使の仮面と悪霊の素顔が見える曲、という比喩で使われています。シューマン自身の表裏。本書「彼女」の詐欺行為の下には、更なる「美しい」素顔があったのでしょうか?
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